鳥取と島根は日本海に面して隣り合う山陰地方の2県で、名前や位置を混同されることが多い一方、実際に比べてみると観光地の雰囲気や街の成り立ち、名物、旅行の楽しみ方にはかなり異なる個性があります。
鳥取には鳥取砂丘や大山、水木しげるロードなど自然と作品世界を楽しめる場所が多く、島根には出雲大社や松江城、石見銀山など歴史や神話を感じられる場所がそろっています。
地図では東側が鳥取、西側が島根と覚えると位置関係がわかりやすく、県境に近い米子・境港・松江周辺は一度の旅行で組み合わせることも十分可能です。
ここでは鳥取と島根の違いを位置、都市、観光、自然、グルメ、交通、旅行スタイルの視点から整理し、どちらへ行くべきか迷っている人にもわかりやすく紹介します。
鳥取と島根の違いがわかる7つの比較ポイント
鳥取と島根はまとめて山陰と呼ばれるため似た地域という印象を持たれやすいものの、比較軸を決めて見るとそれぞれの特徴を簡単につかめます。
まずは旅行や地理を調べている人が特に知っておきたい7つのポイントから、両県の違いを整理していきます。
位置
地図上では鳥取県が東側、島根県が西側にあり、日本海沿岸を東から西へ進むと鳥取県から島根県へ入る並びになっています。
鳥取県の東側には兵庫県があり、南側では岡山県や広島県方面につながる一方、島根県は鳥取県からさらに西へ長く延び、広島県や山口県とも接するため、同じ山陰でも関西に近い鳥取と中国地方西部へ広がる島根という違いがあります。
大阪や神戸など関西方面から見ると鳥取のほうが手前に位置するため、鳥取市や鳥取砂丘を中心にする旅行と、松江や出雲まで進む旅行では必要な移動時間や交通手段も変わってきます。
| 比較項目 | 鳥取 | 島根 |
|---|---|---|
| 山陰での位置 | 東側 | 西側 |
| 東西の順番 | 先 | 後 |
| 近い主要地域 | 兵庫・岡山方面 | 広島・山口方面 |
| 代表的な県都 | 鳥取市 | 松江市 |
都市
鳥取県の県庁所在地は鳥取市、島根県の県庁所在地は松江市ですが、山陰の都市構造を理解する場合は鳥取市と松江市だけでなく、鳥取県西部の米子市も重要な存在です。
鳥取県では東部の鳥取市と西部の米子市の双方に都市機能が分かれているのに対し、島根県東部では松江市と出雲市という比較的大きな生活圏が近い範囲に形成されています。
特に米子から松江までは県境を越えて行き来しやすいため、買い物や仕事、観光では県単位よりも米子・境港・松江・安来を一つの地域として考えたほうが実態をイメージしやすい場面もあります。
- 鳥取県東部の中心:鳥取市
- 鳥取県西部の中心:米子市
- 島根県東部の中心:松江市
- 出雲地域の中心:出雲市
- 県境周辺:米子・安来・松江が近い
観光
鳥取観光の象徴として最も知られているのは鳥取砂丘で、広大な砂丘景観を歩いたり日本海を眺めたりできるため、初めて鳥取を訪れる旅行者にも目的地を決めやすい県です。
一方の島根は出雲大社をはじめ、国宝松江城や世界遺産の石見銀山、城下町としての松江、温泉地など歴史や文化を軸にした観光資源が豊富で、神社や古い町並みが好きな人ほど魅力を感じやすくなります。
鳥取にも三徳山三佛寺や倉吉白壁土蔵群など歴史的な場所があり、島根にも隠岐諸島や宍道湖など自然景観がありますが、初めて訪れる人のイメージとしては鳥取が自然や景観、島根が歴史や神話という分け方をすると特徴をつかみやすいでしょう。
自然
鳥取では鳥取砂丘、日本海の海岸景観、県西部にそびえる大山など、地形そのものを目的に出かけられる自然スポットが目立ち、ドライブや写真撮影、アウトドアとの相性が良い県です。
島根では宍道湖の夕景、日本海沿岸、隠岐諸島などが代表的で、特に松江市周辺では湖と城下町が近接しているため、自然だけを見るのではなく街歩きの中で景色を楽しめる点に特徴があります。
どちらも日本海側ならではの海岸景観を楽しめますが、広大な砂地や山岳風景を目当てにするなら鳥取、湖や島、歴史ある町と組み合わせて景色を楽しみたいなら島根が候補になります。
グルメ
鳥取では日本海の海産物に加えて二十世紀梨、大山周辺の乳製品、鳥取県中西部で親しまれる牛骨ラーメンなどが知られており、地域によって異なるご当地グルメを楽しめます。
島根では出雲そばが代表的な郷土料理として有名で、宍道湖のしじみ、日本海の魚介類、地域の和菓子や日本酒など、歴史ある土地の文化と結び付いた食が多いことも特徴です。
海鮮は両県とも魅力があるため単純に優劣を決めにくく、鳥取なら梨や牛骨ラーメンなども組み合わせ、島根なら出雲そばやしじみを組み合わせると地域らしい食事を楽しみやすくなります。
交通
鳥取県には鳥取砂丘コナン空港と米子鬼太郎空港があり、島根県側にも出雲縁結び空港などがあるため、東京など遠方から山陰へ向かう場合は目的地に合わせて空港を使い分けることが重要です。
鉄道では山陰本線が鳥取・倉吉・米子・松江・出雲方面をつないでいますが、観光スポットが駅から離れている場所も多く、複数地域を巡るならレンタカーのほうが自由度を確保しやすい場合があります。
特に鳥取市から出雲方面まで山陰を大きく横断しようとすると移動距離が長くなるため、地図上で隣県だから近いと考えず、宿泊場所と訪問エリアをあらかじめ分けることが大切です。
旅行スタイル
鳥取は鳥取砂丘や大山のように目的地そのものの景観が強く、ドライブ、自然観光、家族旅行、写真撮影など、屋外を中心に行動したい人との相性が良い傾向があります。
島根は出雲大社や松江城を中心として神社、歴史、城下町、温泉をつなぐ旅行を組み立てやすく、街を歩きながら文化的な背景まで味わいたい人に向いています。
もっとも、県境周辺には水木しげるロードのある境港、大山、松江、足立美術館など個性の異なる目的地が比較的近い範囲に集まるため、鳥取か島根のどちらか一県だけに絞らず両方を周遊する旅行も魅力的です。
鳥取と島根を地図で迷わなくなる覚え方
鳥取と島根について検索する人の中には、観光情報ではなく単純に「どっちが右で、どっちが左なのか」を知りたい人も少なくありません。
複雑な語呂合わせを何種類も覚えるより、周辺県や代表的な観光地と一緒に位置を記憶すると忘れにくくなります。
東西で覚える
最もシンプルなのは「東が鳥取、西が島根」とそのまま覚える方法で、日本地図を通常の向きで見た場合には右側が鳥取、左側が島根になります。
中国地方の日本海側を東から西へたどると兵庫県、鳥取県、島根県、山口県という方向になるため、周囲の県までセットにすると位置関係を再現しやすくなります。
鳥取と島根だけを切り離して暗記すると混同しやすいため、「関西側に鳥取、その西に島根」と覚えておくのも実用的です。
- 東側:鳥取
- 西側:島根
- 鳥取のさらに東:兵庫
- 島根のさらに西:山口
- 両県の北側:日本海
名所で覚える
鳥取砂丘がある県を鳥取、出雲大社がある県を島根と観光地で結び付けて覚えると、位置だけでなく旅行先について話すときにも混乱しにくくなります。
さらに鳥取県西部には水木しげるロード、島根県東部には松江城があるため、「砂丘から西へ進み、境港や米子を経て松江・出雲へ向かう」という旅行ルートとして頭の中に地図を作る方法もおすすめです。
名所同士の位置を旅行の順番として記憶すると、単純な暗記よりも具体的なイメージを伴うため、鳥取と島根を間違えにくくなります。
| 覚える場所 | 都道府県 | 位置のイメージ |
|---|---|---|
| 鳥取砂丘 | 鳥取県 | 山陰東部 |
| 水木しげるロード | 鳥取県 | 島根県境に近い西部 |
| 松江城 | 島根県 | 島根東部 |
| 出雲大社 | 島根県 | 松江より西 |
米子を基準にする
両県の境界付近を理解するときに便利なのが鳥取県米子市で、米子は鳥取県の西端に近く、ここから西へ進むと島根県安来市や松江市へつながります。
松江を訪れた旅行者が米子や境港まで足を延ばすこともあり、反対に大山や境港を観光したあと松江へ宿泊するような県境を越えた旅行も組み立てやすい地域です。
「米子までは鳥取、そこから西へ向かうと島根」という大まかなイメージを持っておくと、山陰旅行の計画を立てるときにも現在地を把握しやすくなります。
旅行先として選ぶなら何を基準にする?
鳥取と島根のどちらへ旅行するか迷った場合、観光地の知名度だけで決めるよりも、自分が旅行で何をしたいかを基準にしたほうが満足しやすくなります。
自然、歴史、家族旅行という代表的な旅行目的に分けて考えると、両県の向き不向きがより具体的に見えてきます。
自然を楽しむ
自然景観を旅の主役にしたい場合、鳥取には鳥取砂丘、浦富海岸、大山など性格の異なる自然スポットがあり、海岸から山まで幅広い風景を楽しめます。
特に鳥取砂丘は市街地から比較的訪れやすいうえ、砂丘という独特の景観そのものが旅行の目的になるため、短い滞在でも鳥取らしさを感じやすい場所です。
一方の島根には宍道湖、日御碕、隠岐諸島などがあり、湖の夕景や日本海に突き出した岬、島ならではの雄大な地形など、鳥取とは異なる自然の魅力があります。
- 砂丘景観:鳥取
- 山岳観光:鳥取
- 湖の夕景:島根
- 岬の景観:島根
- 離島観光:島根
歴史を楽しむ
歴史や神社、古い町並みを中心に旅行するなら、出雲大社、松江城、石見銀山など全国的にも知られた歴史的スポットを持つ島根が有力な候補になります。
松江では城だけでなく城下町の面影や堀川周辺の風景も楽しめ、出雲では古代から続く神話や信仰を感じながら観光できるため、単に名所を見るだけでなく背景を知るほど旅の内容が深くなります。
鳥取にも三徳山三佛寺、倉吉白壁土蔵群、白兎神社など歴史を感じられる場所があるので、山陰全体を巡れば自然と歴史の両方を組み合わせることが可能です。
| 旅行テーマ | 鳥取の代表例 | 島根の代表例 |
|---|---|---|
| 神社 | 白兎神社 | 出雲大社 |
| 歴史景観 | 倉吉白壁土蔵群 | 松江城周辺 |
| 文化財 | 三徳山三佛寺 | 石見銀山 |
| 歴史旅行の印象 | 自然との組み合わせ | 神話・城下町が充実 |
家族で楽しむ
子どもと一緒の旅行では、鳥取県の鳥取砂丘や水木しげるロード、青山剛昌ふるさと館など、景色だけでなく漫画作品の世界観を楽しめるスポットを組み合わせやすい点が魅力です。
島根県にも水族館など家族向けの施設があり、松江や出雲を中心に観光すれば大人は歴史を楽しみながら、子どもが退屈しにくい場所を予定に加えることができます。
小さな子どもを連れて長距離移動する場合は名所の数を増やしすぎず、鳥取市周辺、米子・境港周辺、松江・出雲周辺など一つのエリアに絞ったほうが移動疲れを抑えやすいでしょう。
鳥取から島根まで一日で大量の名所を詰め込むより、一泊ごとに滞在地域を変えるほうが山陰の距離感に合った無理のない旅行になります。
鳥取と島根の観光を一度に楽しむコツ
鳥取県と島根県は隣り合っているため、時間に余裕があれば一度の山陰旅行で両県を回ることもできます。
ただし鳥取県東部から島根県西部までを一つのエリアとして考えると非常に広いため、全部を回ろうとせず地域を区切ることが成功のポイントです。
東から西へ進む
関西方面から山陰へ入りやすい旅行なら、鳥取市からスタートし、倉吉、米子・境港、松江、出雲という順番で西へ進むと、同じ場所を何度も往復しにくい効率的なルートになります。
鳥取砂丘を見たあと県西部へ移動し、大山や境港を観光してから島根県へ入り、松江城や出雲大社を巡れば、鳥取の自然と島根の歴史を一度の旅行で体験できます。
帰路に利用する空港や鉄道駅を往路と変えられる場合は、出発地点に戻る必要がなくなるため、山陰を横断する周遊旅行との相性が良くなります。
- 鳥取市:鳥取砂丘
- 倉吉:町並み・温泉
- 米子・境港:大山・妖怪文化
- 松江:城下町・宍道湖
- 出雲:出雲大社
県境を中心にする
短い旅行で鳥取と島根の両方を体験したいなら、鳥取県西部と島根県東部に範囲を絞る方法が効率的で、米子・境港・大山・安来・松江を中心にすると移動負担を抑えられます。
このエリアには鳥取県側の大山や水木しげるロード、島根県側の足立美術館や松江城など、性格の異なる観光地が集まっているため、県境を越えるだけでも両県それぞれの雰囲気を楽しめます。
県境が行政上の区切りであることを意識しすぎず、米子から松江までを連続する旅行エリアとして考えると予定を作りやすくなります。
| 拠点 | 組み合わせやすい場所 | 向いている旅行 |
|---|---|---|
| 米子 | 大山・境港・松江 | 両県周遊 |
| 境港 | 米子・松江 | 家族旅行 |
| 松江 | 境港・安来・出雲 | 歴史旅行 |
| 出雲 | 松江・日御碕 | 神社巡り |
日数を確保する
鳥取砂丘と出雲大社のように両県を代表する名所を同じ旅行で訪れたい場合は、観光地で過ごす時間だけでなく県内を横断する移動時間も考え、最低でも複数日に分けて計画するのが現実的です。
鳥取県公式観光サイトでも鳥取・島根を巡る複数日の山陰周遊モデルコースが紹介されているように、東西に長い地域を楽しむには一か所に急いで立ち寄るより、宿泊地を移しながら進む旅行が適しています。
2泊程度なら訪問地域を絞り、さらに日数を確保できる場合は鳥取東部から出雲方面まで広げるなど、滞在日数に合わせて移動範囲を決めると観光時間を確保しやすくなります。
石見銀山や島根県西部まで加える場合は松江・出雲からもさらに移動が必要になるため、「鳥取と島根を全部見る」という考え方ではなく、今回訪れる山陰の範囲を最初に決めておくことが重要です。
食文化から見る両県ならではの魅力
鳥取と島根は日本海に面する隣県であるため海産物など共通する食材もありますが、その土地を代表する料理を見ると違いがはっきりします。
観光地だけで旅先を決められない場合は、食べたい料理から鳥取か島根を選ぶ方法もおすすめです。
鳥取の味
鳥取では二十世紀梨が全国的に知られているほか、日本海で水揚げされる魚介類や松葉がに、大山周辺の乳製品など、海と山の両方から得られる食材を楽しめます。
県中西部では牛骨からだしを取る牛骨ラーメンもご当地グルメとして知られており、海鮮以外にも気軽に食べられる地域料理があることが鳥取旅行の楽しみです。
鳥取市、倉吉、米子など滞在する地域によって名物が少しずつ異なるため、移動しながら地域ごとの料理を食べ比べる楽しみ方もできます。
- 二十世紀梨
- 松葉がに
- 日本海の海鮮
- 牛骨ラーメン
- 大山の乳製品
島根の味
島根を代表する郷土料理として知られる出雲そばは、出雲地域を訪れた際に味わいたい定番で、割子と呼ばれる器で提供されるスタイルも旅行らしい体験になります。
松江周辺では宍道湖のしじみが有名で、しじみ汁など比較的シンプルな料理でも土地の特徴を感じやすく、城下町文化と結び付いた和菓子を楽しめることも松江観光の魅力です。
日本酒の酒蔵もあり、神話や歴史を巡る観光と地域の食文化を一緒に楽しみたい人にとって、島根はゆっくり滞在する価値のある地域です。
| ジャンル | 鳥取 | 島根 |
|---|---|---|
| 代表的な麺 | 牛骨ラーメン | 出雲そば |
| 水産物 | 松葉がに・海鮮 | しじみ・海鮮 |
| 果物 | 二十世紀梨 | 地域産果物など |
| 文化との結び付き | 地域ごとの食 | 城下町・出雲文化 |
海鮮を味わう
海鮮を目的にする場合は鳥取と島根のどちらか一方を絶対的に上と考える必要はなく、両県とも日本海に面しているため季節に応じた魚介類を味わうことができます。
鳥取では境港周辺を海鮮目的の旅行に組み込みやすく、島根でも日本海沿岸の各地域で地元の魚介を楽しめるため、実際には訪問する季節や港、宿泊施設によって満足度が変わります。
冬ならかにを目当てに鳥取を選ぶ、松江観光としじみ料理を組み合わせるなど、単純な県同士の比較ではなく旅程に合わせて食を選ぶと山陰らしさをより楽しめます。
市場や飲食店の営業状況、漁獲される魚介類は季節によって変わるため、特定の料理を目当てに訪問する場合は旅行直前に提供状況を確認しておくと安心です。
自分に合う山陰の楽しみ方を見つけよう
鳥取と島根はどちらも山陰地方にあり、地図では東側が鳥取、西側が島根と覚えておけば、まず位置関係で迷うことは少なくなります。
鳥取は鳥取砂丘や大山など自然の存在感が強く、水木しげるロードや青山剛昌ゆかりの観光スポットもあるため、景色やドライブ、作品世界を楽しみたい旅行に向いています。
島根は出雲大社、松江城、石見銀山をはじめとする歴史・神話・文化の魅力が豊富で、出雲そばや宍道湖のしじみなど土地の食文化を味わいながらゆったり巡りたい人に適しています。
どちらか一方を選ばなければならないわけではなく、米子・境港・松江周辺のように県境を越えて移動しやすいエリアを中心にすれば、一度の旅行で鳥取と島根の魅力を比べながら楽しむこともできます。
初めて山陰へ行くなら「自然なら鳥取、歴史や神話なら島根」を大まかな目安にしつつ、時間に余裕があれば両県を東から西へ周遊すると、それぞれの違いだけでなく山陰全体の魅力まで感じられるでしょう。
